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「では、皆さんには30分ほど協議の時間を与えます」 水瀬が消えると、おもむろにハーディは口を開く。 「ナミ、ノール中佐。今の日本連合による説明の裏は取ったか?」 ナミとサポートに就いていたマーガレット・シュナイダー准尉と整備班のメンバー、4thDoLLSからもハッキングに詳しいスタッフがハーディの周りに集まった。 「この時代のTCP/IPをエミュレートするのに手こずりましたが、なんとか接続できましたよ大佐」 代表してナミが答える。 水瀬の説明を聞いている最中にもナミら技術に詳しい面々は、DoLLS基地のコンピュータを無線で操作しLTE通信網に偽装したアクセスを行っていたのだ。 「上出来。で、どうだ?」 「今のところすべてのデータを把握するまで行っていませんが、ロボット検索を使った単純探査による情報だけを見ると日本連合側はウソは言ってないと断言できます」 そう言うとナミは手に持っていたパッドPC――形状は現在のiPad等に類似しているが比べ物にならない程高性能なシロモノ――を見せる。 ホロディスプレイを表示すると、そこには「時空融合」以後一年程の政府資料から新聞社やテレビ局ウェブサイトの情報。 はてはアングラ系の情報に至るまでの詳細な情報が表示されていた。 「もう少し時間をかければ非合法エリアの情報も吸い出せると思いますが、時空融合に関する最新情報は物理的に隔離されているのかロボット検索では限界が有りますね」 フェイエンがぼやくように言う。 「……判った。簡単にまとめて皆に渡してくれないか」 「判りました」 ハーディは頷くと、おもむろに壇上に上がった。 「諸君、今まとめた情報を見てもらうと判るが間違いなく我々は今、別世界の地球……と言って良いのだろうか。とにかくオムニ以外の場所に何らかの天変地異によって連れ込まれてしまった……という事は理解してもらえると思う」 誰ともなくそこにいたメンバーは頷く。 認められない気持ちもあるが、今この現状は間違いなく夢でも幻でもなく現実であるという事は、皆何処かで認識しはじめていた。 「とりあえずだ、我々がここで日本連合と交渉していくためには名目上の総司令を決めなければいけないが……」 と、そのハーディの言葉を遮り、フェイエンが手を上げ答えた。 「我々としては、ニューランド大佐にすべてを一任したいと思います」 戦闘後、ジアス戦役当時の元祖ドールズが出現していたことを知ったフェイエンたちは即座に会合を開き、ハーディにすべての指揮権限を委ねることを決めていた。 これは階級が最上位のハーディに指揮を委ねるというのもあったが、自分達の偉大な先達へ敬意を払ってのことでもある。 「良いのか?」 「構いません」 その言葉を聞いて、ハーディはなんとも灰汁の強そうな4thドールズの面々を見つめた。 「了解した、出来るだけ早くお互いの世界に戻りたいものだな」 「はい」 お互いに視線を交わすと苦笑する。 「それでは……今後我々がどうするか、についてだが……。今自衛隊から説明を受けた事と、現在我々が掴んでいる情報を照らし合わせるとこのまま日本連合に所属することを良しとするか、それとも他の国へ亡命するかのどちらかになると思う」 ハーディは一応、メンバーの意思を考えて口を開いた。 オムニリング(開拓当初からのオムニ住民:言うならばアメリカのWASPに近い)出身者が多いドールズにとって、「地球」と言うだけで敵対意識を持つメンバーも多い。 それだけに何の因果かわからないが地球に来ているという事実を再認識させる必要があったのだ。 ハーディの言葉に、しばしドールズメンバーの間にざわついた空気が流れた。 言うならばこれは、暗にこの場でのDoLLS解散を意味していたとも言えるのだ。 「司令、確率論的に言えば我々は一纏まりで居た方が確実に帰還できる可能性があると思います」 エレンが答える。 何らかの形でここにいる面々がバラバラになる事は出来るだけ避けるようにしたほうがもし「揺り戻し」で帰還できる可能性がある限りは良いだろうと言うのが彼女の判断であった。 「だと思うわね。それに現在把握している情報を見る限り、帰還のきっかけを掴む可能性としては日本連合が一番可能性が高いと思われます」 ファン・クァンメイが肯定するように言う。日本連合は技術レベルでは遅れているようだが、この事件に対する研究深度と言う点ではもっとも研究が進んでいるらしいことが判明している。 それに出現した地点でもある事を考えると当然だ。 同時に、首脳部メンバーの脳内にはある可能性が浮かんでいた。 もし、時空融合がオムニにまで波及していた場合はどうなっているのか? ジアスとサイフェルトが手を組み、オムニを蹂躙している可能性すらあるのだ。 そうなった場合、この融合世界が今後どういう歴史をたどるか判らないが、日本連合主導による統一政府が生まれていても暴走するジアスを止める手立てがない可能性もある。 それを考えると、自分達が地球においては「地球の主導権を握れる国」と手を組み、「親オムニ的」な地球とする事でジアスの後ろ盾を失わせ、また同時にサイフェルトの暴走を防げるのではないか……という考えが浮かんでいた。 諸外国の状況はわからない要素が多かったが、情報に日本連合のバイアスがかかってないとすれば以下のようなものだろうとDoLLS首脳部は見解を出した。 ネット上でも最も情報の多かったアメリカは謎の侵略を受けて右傾化・鎖国化傾向にあり、とてもではないが危険だということ。 時空融合発生から早期に接触したエマーンは高度な技術を持ってはいるもののあまりにも文化・思想が違いすぎて生活できないということ。 というよりこの二勢力ではいいように扱われ、捨て駒程度にしかならないだろうということは少なくとも予想できていた。 残るはソビエトと中華共同体、それにゾイド連邦と言った所であるが、ソビエトの住人が熊から進化した(?)人間だと言う話を聞いた途端DoLLSメンバーは一斉に青ざめた顔を見せた。 何より、ハッキングにより確認できた外交関係の情報によるとソビエトは東欧諸国へ軍事侵攻を行なっていることを示す記録もあった。 この時点でソビエトは彼女らの頭の中から候補から消えることになる。 中華共同体は日本連合以上に安定した政治体制に見えたが、かつてのヨーロッパ以上に政治が一本化しておらず、つかみ所の無いその姿はいかんせん政治的・技術的・経済的なバックアップを必要としたDoLLS達にとっては不安に思えたのだ。 ゾイド連邦はいまだ詳細が明らかになってない地域の上、DoLLS達の時代からさらに未来の世界であり、技術的アドバンテージを取れる可能性が低いという結論から候補を外れた。 最終目的をオムニへの帰還と定めたDoLLSとしては、政治体制が積極的にバックアップについてくれる必要があるのだ。 その点で日本連合は積極的にバックアップについてくれる可能性があると見えたのだ。 それに約束を取り付けるだけの交換条件もこちらにはある。 西暦2000年前後の時代を中核としているのであれば、民需・軍需問わずPLDを初めとしたDoLLS関連の装備に関する技術を特許化すれば、飛びついてくる企業はあるだろう。 どちらにしても異なる二つの時代の組織が合わさって存在している今のDoLLSには早急に共通仕様のPLDが必要となるのは目に見えていた。 「……他の皆には異議は無いか?私としては今の時点で考える限り日本連合に付くのが得策だと思われるが……」 「異議はありません!」 綺麗にメンバーたちの声がハモった。 アメリカ系の人物が多い初代DoLLSであったが、現在のアメリカに関する報告を聞いた瞬間彼女らの顔に浮かんだのは明らかな嫌悪感であった。 規制と似非エコロジー主義、訴訟にがんじがらめにされた一番嫌な時代のアメリカに行こうとする気持ちはさすがに生まれなかったらしい。 これは翌年のチラム政権樹立後に日本連合や中華共同体に亡命したアメリカ人らが抱いた気持ちと同じであった。 少なくとも彼ら亡命アメリカ人はアメリカの正義と自由を信じていたのだ。 後に彼ら亡命アメリカ人達に協力する形でDoLLSメンバーの何人かはチラム国内の反チラム主義運動に参加する事となる。 「解った、我々ドールズは今後オムニ帰還の方法を見つけるまでの間、日本連合および自衛隊への協力を行うこととする」 「了解!」 不安だらけではある。 だが、いつか帰還するための努力は惜しまない。 たとえそれが自分達の生きている間でなくとも。 自分達には故郷に帰ることを許されず、オムニの自然と闘ったオムニリングたちの血筋が流れている。 侵略の建前ではない、原始の自然を相手にして戦った本物のフロンティア・スピリットがオムニリングの誇りでもあった。 壇上に立ったままハーディは、自分の中に熱い物がこみ上げていることに気づいていた。 午前6時30分 東京都千代田区永田町 首相官邸 「彼女らの自衛隊編入、同意を得ました」 会議用モニターに写る斉藤総監の報告を見ながら、加治首相と土方防衛相は頷いていた。 「彼女らの受け入れ態勢が大変ですね」 アユミ=セリオの入れた玉露を啜りながら加治首相は呟くように続ける。 「千歳に彼女らの基地らしき施設が出現していたのが不幸中の幸いです。協力を得られれば我々の戦力強化にもつながります」 「美深町に出現した通信施設も、早急に分析が必要ですね。どうやら恒星間のリアルタイム通信を可能にする施設のようですから」 「そうですね。彼女等を自衛隊で用いるとなると、所属をどうするか判断をつけないと行けませんが……」 なにせ一個大隊の中に陸戦兵器から支援砲、輸送機、戦闘攻撃機までそろえている部隊である。 陸自、空自、特自間で熾烈な駆け引きが行われるのは目に見えていた。 だがそれ以外にも、土方防衛相にはいささか引っかかるものが残っていた。 その気持ちを察してか、加治首相が言葉を続ける。 「ですが、2個戦車中隊が壊滅したにも関わらずあの連中が音沙汰なしと言うのは不気味ですね」 『あの連中』とは、赤い日本のことである。 彼ら赤い日本がこれだけの打撃を受けたにも関わらず一切合財動きを見せないのは異様に不気味に思えて仕方が無いのだ。 昨日中からナデシコA・Bを交代で道北上空に待機させ監視を続けているが、全く動きが無いと言う報告のみが定時に入ってくるだけであった。 「逆に言えばラッキーだとも言えます。監視を続ける以外に選択枝は無いでしょう……」 加治首相は頭が痛い、と言った感じで苦笑する。 彼らが報復措置に出た場合、彼らがここでのんびりと会議をしていられないのは確かであった。 下手をするとすでにこの世の人間ですらなかったかもしれないのだ。 彼らは密かに、「赤い日本」の側に冷静な戦略家がいたらしいことを神に感謝した。 「出来れば彼らとは戦いたくない。ギリギリまで話し合いを出来るように説得したいものです」 赤い日本の求めるものはただ一つ、日本全土の赤化。 強力なカリスマを持った指導者川宮勝次の下、共産圏随一の豊かな国であった彼らにとってはそれが理想なのだ。 だが、すでに多くの人類にとっては共産主義の理念が画餅に過ぎず、実際には特権階級(ノーメン・クラツーラ=赤い貴族)による停滞と堕落しかもたらさない事を知る加治らにとってはどうにかして彼らに現実は違うことを教え、日本連合に加わることを望んでいた。 彼らはムーやゾーンダイクとは違い、少なくとも同じ人間であり話合いの通じる相手だ。 それだけに問答無用で排除することはためらわれるのである。 「明日以降、彼女らの扱いや所属などに関しては首脳部と協議に入ることとします。出来るだけ早いうちに装備の分析などもしたいところですね」 特に一部のスーパーロボットを除いて緊急展開能力で劣る特機と散発的に続く戦況を抱える北部方面隊はこれだけの装備と戦闘能力、緊急展開能力を持つ連中を引き込もうと必死になるに違いない。 今から口角泡を飛ばして議論を戦わせる土門陸幕長と剣特機長の姿が目に浮かぶようだった。 土方防衛相は週末は丸つぶれになるな、と内心思いながら湯飲みに残った最後の玉露を飲み干した。 6月20日 午後11時20分 北海道札幌市南区定山渓温泉 翠山亭倶楽部定山渓 「いやとんでもないのが転がり込んできたね、黒崎君」 ここは札幌の奥座敷と言われる定山渓温泉。 その中でも高級と言われるホテルの特別室である。 端から見ると能天気なほど朗らかなように思えるその男は又とも無い機会を与えられたと言った顔でテレビに見入っている。 傍らのノートパソコンには各種新聞のニュース速報と、融合後管理人とアメリカにあったサーバが現れなかったため閉鎖状態であったが有志によって最近復活した巨大匿名掲示板「2ちゃんねる」の融合問題に関するスレッドが表示されている……のだが、今はスクリーンセイバーが作動してトトロがくるくると踊っていた。 「……課長、又何か仕掛けるつもりですか?」 黒崎と呼ばれた目つきの鋭い男が呆れた口調で答えると、男はその笑顔をこれ以上ないほどに輝かせて答えた。 「彼女らの事をちょーっとばかり調べさせてもらおうかな、ってね」 「赤い日本の戦車中隊を10分足らずで全滅させた連中ですよ、たとえグリフォンとバドが居ても返り討ちに遭うのがオチでは?」 バドの事を気に入らなかった黒崎であったが、彼の実力は認めていた。 だが、今バドは全く持って消息不明である。警察に保護された後時空融合に巻き込まれ、いまだに消息が掴めていない。 「改良はするさ、機械獣のデータは十分調べさせてもらったしね。今回運んでいるものを彼らに渡したら近いうちに仕掛けてもらおう」 そういうと美味そうに傍らの陶器製マグに入ったビールを飲み干す。 「くぅ~っ。小樽の地ビールは美味いねぇ。どうだい黒崎君、君も一杯やらないかね?」 「遠慮しておきます」 またこの人に振り回される事になりそうだな、と思いながら黒崎は内心溜息をついた。 しかし……直後二人がノートパソコンに映る2ちゃんねるのスレッドを見ると……。 ●おまいらの勤務先での裏話ついて語るスレ Part153● 20 :名無しさん@新世紀 投稿日:0002/6/20(火) 22 03 11 ID kAIentaI 俺の勤め先、融合後1年ぐらいで事業拡大しまくって怖い 初期投資成功で( ゚Д゚)ウマーだからって何でも買収してんじゃねーよ! 21 :名無しさん@新世紀 投稿日:0002/6/20(火) 22 05 40 ID mEnDoW3d 21 それは裏話ですらないだろうw 22 :名無しさん@新世紀 投稿日:0002/6/20(火) 22 09 01 ID SHafUtoe ウチの会社、元多国籍企業だけど融合前は人身売買とかやってたらしい…… koeeeeeeee! 23 :名無しさん@新世紀 投稿日:0002/6/20(火) 22 12 25 ID sYaHU10q 勤務先の某課長だけど、部下の一人とアッー!な関係みたいだ。 いつも一緒にいるしどこ行くのも同じだから……。 24 :名無しさん@新世紀 投稿日:0002/6/20(火) 22 15 30 ID SHafUtoe 23 勤務先kwsk 25 :名無しさん@新世紀 投稿日:0002/6/20(火) 22 16 01 ID sYaHU10q 22と同じく、元多国籍企業。 融合前はトイレットペーパーからスペースシャトルまで手広くやるのが キャッチフレーズだった。 26 :名無しさん@新世紀 投稿日:0002/6/20(火) 22 16 48 ID SHafUtoe 25 ちょ、おまwwwwww 27 :名無しさん@新世紀 投稿日:0002/6/20(火) 22 16 50 ID KAnduki1 25 シャフト? 28 :名無しさん@新世紀 投稿日:0002/6/20(火) 22 17 59 ID SHafUtoe 27は空気嫁 ID sYaHU10qは某課長の特徴kwsk 29 :名無しさん@新世紀 投稿日:0002/6/20(火) 22 20 14 ID sYaHU10q 課長はいつもヘラヘラ笑っている眼鏡中年。 お相手の部下はグラサンの兄ちゃん。 30 :名無しさん@新世紀 投稿日:0002/6/20(火) 22 21 50 ID SHafUtoe 29 もしかして企画○課のUとKか? そういえば数日前からつれだって北海道に出張しているな。 31 :名無しさん@新世紀 投稿日:0002/6/20(火) 22 28 01 ID jou3KEiS 30 北海道なら、そいつ等と思われる客がうちのホテルに泊まっているんだけど。 特別室に男二人きりで一日中引きこもっているし。 少し前に、若い外人の男が部屋から出ていったけど、あれ出張ホストでも呼んだんか? 32 :名無しさん@新世紀 投稿日:0002/6/20(火) 22 33 43 ID sYaHU10q 31 ホテル名よろ 33 :名無しさん@新世紀 投稿日:0002/6/20(火) 22 36 03 ID RyoUTsUk 祭りのヨカーン 「………………」 「………………」 暫らくの沈黙。 そして。 「………………黒崎君」 「…………はい?」 ぽつりとつぶやいた内海の言葉に思わず返事をする黒崎。 だが、次の瞬間彼は耳を疑う。 「や ら な い か ?」 「お、お断りします~ッ!!」 かくして夜は更けてゆく……。 午後11時30分 北海道岩見沢市郊外 道央自動車道 内海と黒崎がホテルの特別室で話していた頃、札幌市から北へ向かう高速道路を走る一台のミニバン……そこにある男女の姿があった。 「宜しかったのですか?あの男を信用されても」 「私が交渉相手を間違うと思うか、少尉?」 ミニバンの後部座席に座る若い男が隣にいる少尉と呼ばれた浅黒い肌に金髪の女性へ答える。 二人ともその外見からヨーロッパ系であるのは明らかだが「エクソダス」などによって所謂“欧州系日本人”が増えた今では職質にあっても若いカップルぐらいにしか思われないだろう。 「能ある鷹は爪を隠す……」 「は?何と仰いました?」 「この国にある格言の一つだ。あの男の事だよ」 男は窓の外に目をやる。 視線の先にあるのは札幌の夜景だ。 「実に面白い……この世界は……」 「面白い、ですか……」 「そうだ。なぜ我々が極東の島国に現れたのかは知らないが、あらゆるものが混ざり合った『混沌』の世界。私が望むべきモノの半分がなされた世界だ」 くくっと喉を鳴らして男は静かに笑う。 (最初は混沌の狼煙を挙げるのも私の手でと思っていたが、その手間が省けたということか……。ならば私は「再生」に全てを注ぎ込めばいいわけだ) 男はそこまで考えると、自らの野望を脳裏に描く。 彼が目指すものは「再生への混沌(グラン・ケイオス)」。 かつて、それは単に祖先が建国した祖国の復興と世界に覇権を唱える為の題目であった。 (だが、それは軌道修正を余儀なくされるだろう) それを成し遂げるという思いは今も消えていない。 しかし、現実がそれを不可能にしていることは彼もよく理解していた。 この世界は混沌と同時に人類共通の敵が存在する。 野望をなす前にそれらの障害を排除するのが先だろう。 或いは、祖国を復活させ体裁を整えるべきか……。 (まあいい、先はまだ長い。とりあえずは彼等の紹介してくれた者達と接触するべきだ) 次の予定を思い浮かべた後、彼はふと加治首相の理念とする言葉を思い出す。 (「世界が平和である事が日本にとっての幸福」か。首相、その言葉と理念は正しい。だが、それをなすのは貴方とこの国ではない。それは……) そこから先はあえて言葉にしようとはしなかった。 それを宣言するのは今ではないからだ。 (さて、それは兎も角あの集団が日本連合と接触した以上幾らか“こちら側”の日本にもてこ入れが必要だろう。どうしたものかな) 己の野望に思考をめぐらすのもそこそこに、男は属する勢力が受けた予想外の損害を思い出し考える。 先ほど、ホテルでの会合によりある程度戦力となるであろう物資の援助をとりつけたが、到底足りるものではない。 いずれ見限るとしても彼等にまだ滅ばれるのは困る。 もう少しばかりどこかから援助をとりつける必要があるだろう。 彼は、札幌の夜景から目を外すとその事について再び思案し始めた……。 男が持つその野心、信念は常人では到底持ちえぬものだろう。 彼はいわば「覇者となる者」とでも称するにふさわしい。 だからこそ気付かない。 自らとは逆の方向に確たる意志を持って突き進む者がよりによって“協力者”の中にいることを。 同時期 北海道某所 それは、ここ「赤い日本」の有する拠点の一つにてのこと。 「大したものだな。戦車中隊2個、随伴していた機械化歩兵中隊4個が10分足らずの戦闘で全滅か」 「そういうお前も驚かないな。それを南日本の機動兵器によって壊滅させられたというのに」 あの戦闘でかろうじて逃げ延び、帰還した兵士による報告書を机の上に投げ出した男へ同僚であるもう一人の男が話しかけた。 二人とも若さの残る顔立ちだが、報告書を投げ出した男は戦闘の経験豊富さからか獰猛な目つきをしており、同僚の方は飄々とした空気を漂わせている。 「何が起きても可笑しくない世界さ。これぐらいでは驚かん。それにしてもお偉方が報復に走らなかったのは懸命だったな」 「それどころか、損害を恐れて当面は威力偵察も禁じるそうだ。今度のことは余程堪えたらしいな」 自軍の受けた損害をまるで他人事の様に話していた男は、同僚の言葉に「当たり前だ」と呟く。 そもそも、数の上で圧倒的に劣勢であるにも関わらず威力偵察などやる兵力などあるわけが無い。 「まぁ、気付いただけでもマシだ。今後は上も無茶な命令はそうそう出さないだろうよ。ああ、そういえば知っているか?」 「何がだ?」 同僚の言葉に思わず聞き返す男。 「今度の戦いで喪失した車両、装備の類は補充するそうだ。それも最新のものに更新する形でな」 「なんだと……バカな。補充するならまだしも最新だと?笑わすな」 その一言に対しても男は僅かに眉を動かしただけで表情を変えようとしない。 何割かは冗談として聞いていたからだ。 「そう言わずにこれを見てみろ。その証拠を示す書類だ」 男の方に同僚が懐から取り出した紙切れを投げる。 それを拡げると、そこには複数種の武器が補充されたことを示す文字が記載されていた。 「これは……」 「ああ、我々が敵対しているもう一つの勢力、米国のものだよ」 「なぜ連中が、仮にも奴等は“まだ”南日本の同盟国であるはずだ」 「そうさ、米国は“まだ同盟者”というだけだ。いずれはかつての様な同盟関係は解消する。南の流している民間放送でもその内容が伝えられている」 「そいつは知っている……それにしても気前がいいものだ。なんでもありか」 そこに記されていた武器は銃器、弾薬は言わずもがな。 対戦車火器に分解組み立て型の野砲、更には装甲車までもあった。 「極めつけは戦車ときたか。それもただ同然でばらまくとは」 「それらが数回に分けて封鎖突破船で送り込まれるとの事だ」 「封鎖突破船とはまた古い言葉だな。だが、寄航するべき港はどうなる?」 「忘れているわけでもないだろう。あそこだ」 「ああ、解っている。紋別しかないのは確かだがな……」 紋別市……「赤い日本」の勢力化にある数少ない都市の一つであり、殆ど唯一の「交易拠点」でもある。 日本連合の側も遠巻きにして制圧する様子も無いことから、男も書類にある物資が陸揚げされるのはここしかないだろうと思った。 (だが、あそこの指揮官がどう出るかだな) 紋別市の防衛指揮官は若い少佐とのことだったが、なんでも一年前の大異変の直後に治安を回復してそのまま指揮官になったらしい。 切れ者であることは、上層部でも知られている話だったがそれ以上にかなりの変わり者とのことだった。 (だとしても、俺には関係の無いことだ) 男はそこで思考を中断すると、書類を同僚に投げ渡し席を立つと何処かへと歩き去ろうとする。 「どこへ行く?」 「ここで話すことが他に無いからな。自分の部署に戻るのさ」 「そうか。ああ、今思い出したが報告書にあった戦闘の際、全滅した部隊のかなり近くにいたんだって?」 「それがどうした?」 同僚の言葉に男は足を止めて振り返る。 確かに彼は自軍の戦車隊が機動兵器に全滅させられたとき、極少数の部隊を率いて行動していた。 「助けなかったそうじゃないか。別に上へ報告するわけじゃない、理由を知りたくてな」 「俺の率いていた兵力が少なすぎただけのことだ。それから……」 「それから?」 「全滅した部隊の指揮官が言ってたのさ『人でなしの手は借りぬ』そうだ」 そう言った男は、もう振り返ろうとせず自分の部署に戻っていった。 男は、部署に戻ると自分の机でなにやらメモを書き始める。 周囲の部下は、それがなんであるか問うことも無い。 だが、男にとってはそれが好都合だった。 (さて、人型機動兵器とは厄介な代物がでてきたものだ。今後、上層部も警戒を強めるみたいだが……) そんなことを考えながらメモ帳に「人型兵器」「脅威」「戦車中隊相手にならず」と走り書きをしていく男。 そこで、それらの単語を丸で囲むと矢印を書き加え「対処方法」と記す。 (兵器である以上、それは人間が運用することは戦車と変わらんはずだ。ならば、兵器に共通する最大の弱点を潰せばいい) 無人兵器である可能性もあったが、男はこの際その事は無視していた。 そんな代物はいくら非常識に見える南日本でも簡単に、それも一度に複数実戦投入できるとは思えなかったからだ。 (一つは、パイロットが乗ってないところを破壊すればいい。これが一番簡単な手段だ。もう一つは、パイロットがコクピットを降りたところを狙えばいい) どちらも、戦いにおける定石といえる。 だが、男は更に考えたあとでもう一つの手段を思いつく。 (いや、何もパイロットだけに限らない。人型機動兵器を扱う以上それを整備する人間もいるはずだ。拠点があれば人型機動兵器が出撃したあとを見はからって後方の人間を虐殺する手もある) 三つ目の手段は、段取りに手間取るだろうが、自分の所属部隊の持つ技量をもってすれば可能だと男は思う。 (親鳥が帰って来てみれば、巣は荒らされ卵は踏み潰され、雛鳥は皆殺し……怒り狂って理性を失うには丁度いい……そこで拠点ごと吹き飛ばせば……まぁ、最終的にはこれしかないのだがな) 考えが纏まったのか、男は更に矢印を引くと赤いペンでこう書き加えた。 「皆殺し」と。 (どちらにしても、まだ先のことだ。今は我々に協力する怪しい奴等に目を向ける必要もあるか) そして、最後に以下の一文を加える。 「最終目的、復讐完遂、対象を問わず」と。
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シュヴァルツェスマーケン・えくすとら♪ 第3話「テオドール争奪・料理対決!!」(前半) 1.デートの権利を賭けて それはよく晴れた清々しい土曜日の昼・・・休日で人が少ない私立マブラヴ学園の、調理実習室での出来事だった。 「・・・よし、これで全員揃ったな。先日テオドールに内緒で告知した通り、これからお前らには料理対決をして貰うからな。」 「いやいやいやいやいや、朝飯と昼飯を抜いて昼に学校に来いって先生に言われたから何かと思えば、何でいきなりこいつらが料理対決する事になるんですか!?」 ヨアヒムの言葉に、露骨に不服そうな態度を示すテオドール。 そして他に調理実習室に集まったのは、リィズ、アイリスディーナ、カティア、アネット、ファム、キルケ、ベアトリクス、アスクマンの8人。 彼らはテオドールに極秘で行われたヨアヒムの呼びかけに応じ、こうして休日の学校にわざわざ集まってきたのだ。 全員が制服にエプロンを身に付け、それぞれに用意されたテーブルの前で待機している。 テーブルの上には各員が独自に用意した、色とりどりの食材の数々が置かれていたのだが。 「テオドール、リィズ、カティア、アネット。お前ら明日は確かバイト休みだったよな?」 「え、ええ、明日は俺たち全員シフトから外れてますけど・・・。」 「よし、ならば問題無いな。」 「何が問題無いんですか!?て言うか何でそんな事まで先生が知ってるんですか!?」 「ベアトリクスにお前らのシフト表を見せて貰ったからな。」 「どうやって手に入れたんだよ!?シュター部怖えよ(泣)!!」 テオドールの泣きそうな表情を、ベアトリクスはドヤ顔で見つめていたのだった。 従業員のシフト表は事務所内にあり、決して客席からは見れないようになっている上に、ファミレスの従業員にはシュター部の部員も、その親族も存在しない。 にも関わらずベアトリクスは、一体どうやってテオドールとリィズのシフト表を入手したというのか。 と言うか、もう個人情報もプライパシーも何もあった物では無かった・・・。 「テオドール。お前がこの学校に入学してから1週間・・・お前の事をずっと見させて貰っていたが、お前のモテっぷりは正直言って半端ではない。たった1週間でお前に好意を寄せる女子たちが、これだけ大勢現れやがる始末だ。本当に羨ましい奴だなおい。」 何故かアスクマンまでいる事に、誰も突っ込みを入れないのは何故なのか。 「しかも別の高校に通う俺の姪(キルケ)にまで手を出しやがって。馬鹿野郎この野郎。」 「だからそれが何で料理対決に繋がるんですか!?」 「そりゃあお前、こいつらが毎日毎日毎日毎日、四六時中お前を奪い合って見てられねえから、決着を付けさせる場を用意したに決まってるだろうが。」 そう、ヨアヒムの言う通り、あれから壮絶なテオドールの奪い合いが、彼女たちの手によって毎日のように派手に繰り広げられているのだ。しかもそれは校内に限った話ではない。 毎日のようにテオドールを起こしに来るついでに、何故か一緒に添い寝するアイリスディーナ。 テオドールと一緒に過ごす時間を少しでも増やす為に、わざわざ自分と同じバイトに誘うアネット、そしてテオドールと同じファミレスでバイトするリィズとカティア。 別の高校に通うキルケに至っては、わざわざテオドールに会う為に、テオドールがバイトするファミレスに毎日通い出す始末だ。 さすがにこのままではまずいと思ったヨアヒムが、ひとまずの一区切りの決着の場を与える為に、こうして料理対決を開いたという訳だ。 「料理対決の内容は至ってシンプルだ。お前らが自分で用意した食材を使った料理を、実際にテオドールに食べて貰う。そしてテオドールを一番満足させた奴が優勝だ。」 「朝飯と昼飯を抜いて来いって、そういう事かよぉっ!?」 テオドールの腹が、さっきから盛大に鳴り響いていたのだった・・・。 「そして優勝者には明日の日曜日、テオドールと1日デートする権利を与える物とする。」 「はああああああああああああああああああああああああ!?」 「なお、お前に拒否権は無い・・・もし万が一お前が優勝者とのデートをすっぽかすような真似をした場合、罰として毎朝トイレ掃除を1週間やって貰うからな。」 「横暴だ!!職権の乱用だ(泣)!!」 というかトイレ掃除一週間分って、物凄くどうでもいい罰則のような気がするのだが・・・。 泣き叫ぶテオドールを無視して、ヨアヒムは右手を高々と掲げ、大々的に宣言したのだった。 「これより第1回、テオドール争奪・料理対決を開始する!!」 「第1回って、第2回以降もあるのかよおっ(泣)!!」 「選手宣誓!!リィズ・ホーエンシュタイン、前へ!!」 「何この日本の高校野球みたいなノリ(泣)!?」 ヨアヒムに促されたリィズが教壇の上に立ち、ヨアヒムと同じように右手を高々と掲げ・・・。 「・・・宣誓!!我々選手一同は、お兄ちゃんへの愛に賭けて・・・どんな手段を用いてでも全員徹底的に叩きのめしてあげるから、アンタたちせいぜい無駄な足掻きをしておくがいいわ!!あはははははは!!」 全身から漆黒のオーラを放ちながら、物凄い表情で宣言したのだった。 「いや、そこはスポーツマンシップに則って、正々堂々と戦う事を誓えよ(泣)!!」 「待っててね、お兄ちゃん・・・お兄ちゃんを満足させられるのは私しかいないって事を、お兄ちゃんに思い知らせてあげるんだから!!」 「俺の話聞いてる(泣)!?」 そしてリィズが自分の持ち場に戻ったのを確認したヨアヒムが、現在時刻を確認してストップウォッチを懐から取り出す。 「現在時刻は12時20分、調理の制限時間は30分とする!!30分以内にテオドールを満足させられる料理を作ってみせろ!!それじゃあお前ら調理開始だ!!」 ヨアヒムがストップウォッチを押したのを確認したリィズたちが、一斉に調理を開始する。 今ここに、テオドールとのデートの権利を賭けた壮絶でしょーもない料理対決が、当の本人であるテオドールの承諾も無しに、勝手に開始されたのだった・・・。 2.アイリスディーナの料理 「・・・ところでベアトリクス。何故お前までもがこの料理対決に参加しているのだ?」 リィズたちが物凄い勢いで調理を行う最中、アイリスディーナとベアトリクスだけは包丁にも食材にも全く手を付ける事なく、まるで調理を行っていなかった。 アイリスディーナが厳しい視線を隣にいるベアトリクスに向けているのだが、当のベアトリクスは妖艶な笑みを浮かべながらアイリスディーナの視線を無視し、今にも腹が減って死にそうなテオドールを見つめている。 「お前はテオドールには興味が無い、私の兄上が好きなのだと、以前私に言っていただろう。」 「ええ、貴方の言う通り、私が好きなのはユルゲンよ。あの坊やには正直言って興味無いわ。」 「ならば何故私の邪魔をするような真似をする?互いに互いの恋の手助けをすると、先日互いに誓い合ったばかりではないか。」 「それは彼が恋愛原子核の持ち主だからよ。」 「・・・な・・・!?」 突然聞きなれない言葉を耳にした事で、戸惑いの表情を隠せないアイリスディーナ。 「恋愛原子核だと!?何だそれは!?」 「貴方は彼を見て一度でもおかしいとは思わなかったの?先生も言っていたけれど、彼はこの短期間であれだけの数の女子を虜にしてしまった・・・これはもう異常だとしか言いようがないわ。」 「・・・それは・・・テオドールがそれだけの魅力の持ち主だというだけの話だ。」 アイリスディーナとて、リィズたち恋敵に対して嫉妬の感情があるのは否定はしない。 だが、だからこそテオドールへの愛が一層深まるという物だし、リィズたちの本気の「想い」もよく理解しているつもりだ。 恋愛原子核だか何だか知らないが、自分やリィズたちと違ってテオドールと特に親しくもない癖に、そんな訳の分からない事を言われる筋合いは無い。 「・・・ベアトリクス。お前はテオドールとまともに接した事が無いから・・・」 「それだけの魅力の持ち主・・・本当にそれだけだと思う?ただ魅力的な男子だからというだけで、あれだけの数の女の子が一斉に彼に集まるとでも?そんなの絶対に有り得る訳が無いわ。」 ベアトリクスは先日シュター部の部活動中に部員たちに話した、恋愛原子核に関する持論をアイリスディーナにも説明したのだった。 日本の横浜に存在する高校に、今のテオドールと似たような境遇の男子生徒がいる事。 その男子生徒は幼馴染やクラスメイトの数人の女子、さらには担任の女性教師まで虜にしてしまっているという事。 おまけに世界的な資産家である御剣財閥の双子の姉妹までもが、その男子生徒と添い遂げる為だけに、わざわざ他校から転校してきた事。 しかも、その男子生徒は特に女子を口説こうとしてる訳でもなく、本人の自覚も無しに勝手に女子たちが集まっているという事。 そのあまりに常識を逸しているモテっぷりに興味を抱いた、その高校の学年主任を務める女性教師が興味本位で男子生徒を調べた所、その男子生徒のモテっぷりは細胞レベルにまで達している事が判明した事。 そんな男子生徒がその身に宿す特性を、彼女が「恋愛原子核」と名付けた事。 「・・・で、仮にテオドールがその白銀武と同じ、恋愛原子核とやらの持ち主だとして・・・仮にお前がこの料理対決で優勝したとして、お前はテオドールを一体どうするつもりなのだ?」 ベアトリクスはテオドールには一切興味が無い、愛しているのはユルゲンだけだとアイリスディーナに公言しているのだ。 なのに今回のテオドールとのデートを賭けた料理対決に参加し、しかも本気で優勝を狙っている・・・一体何を企んでいるのか。 この矛盾を孕んだベアトリクスの行動に、アイリスディーナは言いようの無い不安を感じていたのだが・・・。 「まさかお前までもがテオドールに恋焦がれたという訳でも無いだろう。なのに一体どういうつもりなんだ?」 「私が優勝を目指す目的は、彼の研究の為よ。」 「な・・・研究だと!?」 放たれたベアトリクスの返答は、アイリスディーナが全く予想もしていなかった、とんでもない代物だった。 「私が優勝した暁には彼を私の自宅に招待し・・・彼がその身に宿す恋愛原子核を徹底的に分析させて貰うわ。」 「・・・ベアトリクス・・・貴様・・・!!」 「そう、私は彼に興味は無い・・・私が興味があるのは、彼がその身に宿す恋愛原子核だけよ。」 リィズたちはテオドールに対して本気で恋愛感情を抱いており、明日のデートの為に真剣に調理に取り組んでいる。 そんなリィズたちに混じってベアトリクスはテオドールに興味が無いと言い放ち、テオドールを研究する為に大会に参加したというのだ。 テオドールがベアトリクスに何をされるか分かった物ではないというのもあるが、これはリィズたちのテオドールへの「想い」に対する侮辱に他ならない。それがアイリスディーナにはどうしても許せなかった。 「彼がどんな経緯で恋愛原子核を宿す事になったのか、恋愛原子核が周囲にどれだけの影響を及ぼす物なのか、どれ程の効力を持つ物なのか・・・私は凄く興味があるのよ。」 「・・・ベアトリクス。やはり私は、お前とアスクマンにだけは優勝させる訳にはいかないようだ。」 ベアトリクスに対して、敵意をむき出しにするアイリスディーナ。 そんなアイリスディーナの厳しい視線を、ベアトリクスは余裕の表情で受け流す。 調理開始から既に5分が経過したというのに、相変わらずアイリスディーナもベアトリクスも、全く包丁や食材に手を付けていなかったのだが・・・。 「あ~ら、今までまともに包丁を持った事も無い貴方が、一体どうやって私に勝つというのかしら?これはあくまでも料理対決なのよ?」 「そうだな、私は今まで料理など一度もした事が無い。」 「見た限りでは相当高価な食材ばかりを用意したみたいだけど、それも料理人が活かせなければ何の意味も無いのよ?」 「確かにお前の言う通りだ・・・だがなベアトリクス・・・誰が『私が調理する』と言った?」 「な・・・何ですって!?」 アイリスディーナが勝ち誇った笑顔で、指をパチン!!と鳴らすと・・・ガラガラガラと勢い良く扉が開け放たれ、先程から待機していた3人のコック姿の料理人の男性たちが、一斉にアイリスディーナの元に駆け寄り、跪いたのだった・・・。 彼らは3人共ベルンハルト家の使用人たちであり、一家の毎日の料理全般を任されているプロの料理人たちだ。 全員がドイツの有名な料理大会で優秀な成績を収めた程の凄腕であり、その手腕を高く評価されベルンハルト家にスカウトされ、今も専属の料理人として働いているのだ。 「・・・お前たち。」 「「「はっ!!」」」 「・・・やれ。」 「「「承知致しました!!お嬢様!!」」」 アイリスディーナの号令の元、3人の料理人たちが物凄い勢いで目の前の食材を捌いていく。 そのまさかの光景に、さすがのベアトリクスも動揺を隠せないでいた。 アイリスディーナは全く包丁や食材に手を付ける事なく、余裕の態度で腕組みをしながら、勝ち誇った笑顔で彼らの調理を見守っているのだが・・・。 「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!!自分で調理せずにプロの料理人に全部やらせるって、これってどう考えても反則じゃないの!?ねえってば!!」 「いやいやいやいやベアトリクス。ヨアヒム先生は確かにこう仰られていたぞ。」 『料理対決の内容は至ってシンプルだ。お前らが自分で用意した食材を使った料理を、実際にテオドールに食べて貰う。そしてテオドールを一番満足させた奴が優勝だ。』 「そうよ!!だからプロの料理人に任せるなんて卑怯だと私は・・・!!」 「卑怯?ヨアヒム先生は『自分で食材を用意しろ』と言っただけであって、『自分の手で調理しなければならない』などとは、ただの一言も言っていないのだがなあ?」 「・・・はああああああああああああああああああああああ!?」 アイリスディーナは物凄い笑顔で、ベアトリクスに物凄い反論をしたのだった・・・。 そう、確かにアイリスディーナの言う通りだ。 ↑のヨアヒムの言葉をもう一度読み返してみれば分かるが、ヨアヒムがアイリスディーナたちに要求したのは『自分で用意した食材を使え』という事だけだ。『自分で調理しろ』などとは確かに一言も言っていない。 「そ、そんなのは屁理屈よ!!料理対決なんだから自分で調理しないと駄目に決まっているでしょう!?」 「負け惜しみなど見苦しいぞベアトリクス。他人に調理を任せるのが禁止だと、ヨアヒム先生がいつそんな事を言った?」 「ぬぐぐぐぐぐぐ・・・!!」 悔しがるベアトリクスだったが、そうこうしている内に3人の料理人たちの手によって、あっという間に料理が出来上がってしまった。 料理人たちの手によって、今にも腹ペコで死にそうなテオドールに差し出されたのは、とても美味しそうな香りが漂う高級肉料理。 「お待たせ致しましたテオドール様。ウインナーシュニッツェルとレーバーケーゼ、ミュンヘナーヴァイスブルストをメインに、シュパーゲルとクネーデルにオランデールソールを添えさせて頂きました。」 なんか凄く長ったらしい名前の、よく分からんメニューが出た。 「リィズ。お前が先程言った言葉をそっくりそのまま返してやろう。どんな手段を使ってでもお前たちを徹底的に叩きのめすとな。」 「・・・・・。」 「お前も確かに兄上が絶賛する程の料理人のようだが、それでも所詮は家庭料理の域を出ないアマチュアだ。正当な修行を積んだ彼らプロには到底敵うまい。」 「・・・・ふふふ・・・。」 「ヨアヒム先生が料理対決を持ちかけた時点で、既に私の勝ちは決まっていたのだよ!!はーーーーーーっはははははははは!!」 勝ち誇るアイリスディーナを尻目に、テオドールは黙々と高級肉料理を口にしたのだが。 一口食べ終えた所で、突然テオドールがナイフとフォークをテーブルの上に置いたのだった。 「・・・うーん、なんか違うんだよなあ・・・。」 そしてテオドールは戸惑いの表情で、不満そうな態度を示す。 その予想外のテオドールの態度に、アイリスディーナの表情から先程までの余裕が消え失せていった。 「な・・・一体どういう事なんだテオドール!?何か嫌いな物でも混ざっていたか!?」 「いや、凄く美味いよ。美味いんだけどさあ・・・なんか食った気がしないというか・・・。」 「食べた気がしないだと!?一体どういう事なんだ!?」 彼らは全員が有名な料理大会で優秀な成績を収めた、プロの料理人なのだ。 そんな彼らが、致命的な調理ミスなど犯す訳が無い・・・アイリスディーナは一体何がそんなに不満なのか理解出来なかったのだが・・・。 「いや、そういう事じゃなくてさ・・・確かに料理自体は凄く美味いよ。だけどあまりにも高級過ぎて、なんか食べた気がしないっていうか・・・勿体無いっていうか・・・」 「・・・なん・・・だと・・・!?」 テオドールの言葉に、驚愕の表情を隠せないアイリスディーナ。 そう、確かに彼らが作った料理は、まさしくプロの手によって生み出された高級料理その物だ。 素材自体も一般市民には簡単に手が出せない高級品が使われているし、その素材の旨みもプロの手によって最大限に引き出されている。 だが彼らの高級料理を日常的に食べているアイリスディーナとは違い、テオドールが居候させて貰っているホーエンシュタイン家は、ごく普通の収入の一般的な中流家庭・・・悪い言い方をすれば「庶民」なのだ。 そんなホーエンシュタイン家で暮らしているテオドールが、突然こんな長ったらしい名前の高級料理を出されよう物なら、あまりに高級過ぎて逆に引いてしまうのも無理も無いという物だろう。 「テオドールお前、貧乏性にも程があるだろう!?」 「・・・ふふふ・・・ふふふふふ・・・あはははははははははははは!!」 その様子を先程から米を炊きながらドヤ顔で見つめていたリィズが、戸惑いを隠せないアイリスディーナの姿を見て高笑いした。 「アイリス。アンタはやっぱりお兄ちゃんの事を何も理解していなかったみたいね。」 「な・・・何だと・・・!?」 「確かにこの人たちの実力は認めるわ。だけどどれだけ高級料理を出そうが、お兄ちゃんを満足させられなければ意味が無いの・・・高級料理という選択をした時点で、アンタの負けは最初から決まっていたのよ!!」 「・・・ば・・・馬鹿な・・・っ・・・!!」 驚愕の表情で崩れ落ちるアイリスディーナを、リィズは物凄い笑顔で見下していたのだった・・・。 3.アネットとファムの料理 「申し訳ありませんお嬢様!!私たちの力が足りなかったばかりに、お嬢様に恥をかかせてしまいました!!」 とても申し訳無さそうな表情で、アイリスディーナに頭を下げる料理人たち。 だがそんな3人をアイリスディーナは全く責める事無く、穏やかな表情で優しく包み込んだ。 「お前たちのせいではない。お前たちは本当に最高の料理を作ってくれた。」 「ですが・・・!!」 「リィズの言う通りだ。これはテオドールの好みを把握していなかった、私のメニューの選択ミスが招いた結果だ。」 「お・・・お嬢様・・・!!」 テオドールが残した長ったらしい名前の、訳の分からない高級肉料理を食べながら、無様に敗北したアイリスディーナはリィズたちの調理する光景を見つめていたのだが。 その光景を見ていたリィズが全身から漆黒のオーラを放ちながら、物凄い表情でアイリスディーナに突っかかってきたのだった。 「ちょっとアイリス!!それってお兄ちゃんとの間接キスなんじゃないの!?」 「何だリィズ、鍋に火をかけたまま放置していてもいいのか?折角の料理が焦げてしまっても知らないぞ?」 「お生憎様!!お米を炊く時間ならちゃんと計算してます!!それよりも私を差し置いてお兄ちゃんと間接キスなんて許さないわよ!!」 「これは私の使用人たちが作った料理だ。だから私が処分するのは至極当然の事だ。」 「抜け駆けは許さないわよ!!私にも食べさせなさいよぉっ!!」 「駄目だ絶対に渡さん!!」 アイリスディーナとリィズがしょーもない争いをしている最中、料理を完成させたアネットが颯爽とテオドールに料理を差し出してきた。 どうやらアネットの料理も、アイリスディーナと同様の肉料理のようなのだが・・・。 「さあテオドール、どうぞ召し上がれ。」 「・・・こ・・・これは・・・!!」 「私はアイリス先輩のようなミスはしないわ。やっぱり料理と言うのは単純明快じゃないとね。」 アネットが作った料理は、とても豪快かつシンプルな代物だった。 両側から鶏肉の大きな骨が豪快に突き刺さった巨大な肉の塊が、焼きたての鉄板の上でジュージューと派手な音を立てて、もう今にも肉汁が零れ落ちそうな勢いだ。 「・・・マ・・マンガ肉・・・だと・・・!?」 驚愕の表情で、テオドールは目の前の肉の塊を見つめていたのだった。 「マンガ肉とは何だ!?テオドール!?」 「マンガ肉と言ったらマンガ肉だ!!それ以上でもそれ以下でも無いんだあっ!!」 聞いた事の無い名前の料理に戸惑いの表情を隠せないアイリスディーナを尻目に、テオドールは豪快にマンガ肉にかぶりついたのだった。 絶妙な焼き加減で焼かれた肉の塊から解き放たれた肉汁が、テオドールの口の中に一斉掃射されていく。 「ま、まさかマンガ肉の実物を、実際にお目にかかる日が来ようとは!!」 「この間、店長にも提案したんだよね。マンガ肉をメニューに入れられないかって。」 「うおおおおおおおおおおおおおお!!美味い!!美味いぞおおおおおおおおおおおおっ!!」 「シンプル故に調理も楽だしコストも抑えられるから、低価格で出せるんじゃないかって店長に言ったら、これは面白い、上層部に伝えておくって褒められたのよ。」 「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」 素材もアイリスディーナの料理とは違い、その辺のスーパーで安売りされている代物だ。 だからこそテオドールも、変な遠慮をせずに豪快に食べられるのだろう。 とても美味しそうにマンガ肉にかぶりつくテオドールを見て、自分の料理をまともに食べて貰えなかったアイリスディーナは、とても悔しそうな表情を見せたのだった。 「リィズ。アンタの言う通りだわ。テオドールの事をちゃんと理解している人こそが、この戦いの勝者となる・・・私はテオドールの性格なら下手に高級な食材を使った料理よりも、こういった手軽に食べられる料理を選んでくれると、最初から確信していたのよ。」 「・・・・・。」 「アンタには悪いけど、テオドールと明日デートするのはこの私よ。アンタが今から何を作ろうとしてるのかは知らないけれど、見なさいよこのテオドールの満足そうな顔・・・。」 「・・・ふふふ・・・。」 「アンタの言葉をそっくりそのまま返してあげる。せいぜい無駄な足掻きをするがいいわ!!はーーーーーーっはははははは!!」 勝ち誇るアネットを尻目に、テオドールが豪快にマンガ肉を完食したのだが・・・その時だ。 「・・・た・・・炭水化物・・・」 「・・・え?」 突然テオドールが、とても苦しそうな表情を見せたのだった。 「炭水化物!!炭水化物が食いてええええええええええええええええええええええ!!」 「ちょっとテオドール、いきなりどうしたのよ!?」 「炭水化物!!誰か炭水化物をおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」 悶え苦しむテオドールに、訳が分からないといった表情のアネット。 あれだけテオドールに満足して貰えたのに、一体自分の料理の何がいけなかったのか・・・。 「・・・ふふふ・・・ふふふふふ・・・あはははははははははははは!!」 「な・・・リィズ!?」 だがその様子を見ていたリィズが、初めからこうなる事が分かっていたと言わんばかりの勝ち誇った笑顔で、鍋の中に切り刻んだ野菜を入れながら、アネットに威風堂々と告げたのだった。 「・・・アネット。私は同じファミレスのキッチンで働く貴方なら、もう少し歯応えがあると思っていたんだけどね。なのに結局はその程度・・・貴方には失望させられたわ。」 「何ですって!?リィズ・・・!!」 「貴方のマンガ肉は、栄養のバランスが全然整っていないのよ。」 「そんな馬鹿なはずがないわ!!ちゃんとこうして野菜だって添えて・・・!!」 「あれだけの肉の塊だもの。ちょっと野菜を添えただけじゃ、マンガ肉の強烈なインパクトを鎮められないわ。結局の所、所詮は脂肪とたんぱく質と鉄分の塊に過ぎない・・・これではお兄ちゃんが炭水化物を欲しがって当たり前よ。」 「・・・っ!?」 リィズの言葉で、アネットは驚愕の表情でその場に崩れ落ちたのだった。 テオドールを満足させる・・・それだけに拘り過ぎて、アネットはそういった細かい所にまで気を回せなかったのだ。 「ば・・・馬鹿な・・・っ・・・!!」 「この時を待っていたわ。アネットちゃん。」 「な・・・ファム先輩!?」 「さあテオドール君。どうぞ召し上がれ。」 とても勝ち誇った笑顔で、ファムは炭水化物不足で苦しむテオドールに料理を提供したのだった。 お椀の中に入っているのは、どうやら様々な肉と野菜を具材とした、透明な麺類のようなのだが・・・。 「こ、これは・・・!?」 「ブンボーフエよ。私の故郷のベトナムでの郷土料理なんだけど、お米で作った麺と言えば分かりやすいかしら?」 「米!?米!?炭水化物!?」 「そうよテオドール君が欲しがってる炭水化物よ。さあテオドール君、存分に味わって♪」 「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」 喜びを顕わにするテオドールを見て、ファムは勝ち誇ったかのようなドヤ顔をアネットに見せたのだった。 アネットが用意した食材を見た時点で、ファムはアネットが豪快な肉料理を出す事も、アネットの料理を食べたテオドールが炭水化物を欲するであろう事までも確信していたのだ。 だからこそファムは、テオドールがアネットの料理を食べ終わるタイミングで米麺を出せるように、わざと意図的に調理を遅らせていたのだ。 この料理対決は「テオドールを一番満足させた者」が優勝・・・それさえ満たせば過程などどうでもいい。 そう・・・自分の料理でテオドールを一番満足させる為に、ファムはアネットを踏み台にしたのだ。 ファムの意図を察して悔しがるアネットだったが・・・テオドールが麺を口にした瞬間。 「・・・ぶううううううううううううううううううううううううううううううううう(泣)!!」 突然テオドールが泣きそうな表情で、麺を盛大に吐いたのだった。 予想外の出来事に、ファムは戸惑いを隠せない。 「ちょ、テオドール君、一体どうしたの!?」 「ファム先輩、アンタ、この麺の中に何を入れたんだよ!?」 「何って・・・もう、私の口から言わせる気・・・?」 顔を赤らめながら、ファムはとても恥ずかしそうに告げたのだった。 「・・・私の、愛e」 「うわああああああああ、うわああああああああああああああああ(泣)!!」 泣きそうな表情で慌ててうがいをするテオドールを見て、戸惑いを隠せないファム。 「テオドール君ったら酷いわ!!私が心を込めて作った料理なのに!!」 「いや心を込め過ぎて重過ぎるわ!!アンタこれ実際に食ってみろよ!!」 「食べてみろって・・・だってベトナム料理なら私の得意とする所・・・」 ファムがテオドールにまともに食べて貰えなかった麺を、怪訝そうに口にした瞬間。 「・・・ぶううううううううううううううううううううううううううううううううう(泣)!!」 泣きそうな表情で、盛大に麺を吐いたのだった・・・。 後半へ 戻る
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第3話「アマテラスの神弓」 【URL】http //www.nicovideo.jp/watch/sm7922184 【登録タグ】 ゲーム プレイ動画 無双 おでんの人の冥龍伴放浪記 真・三國無双5Empires 越後の虎のようなもの おでんのドライビングテクニック 物見必死、超必死 タイトルにもどかしさを感じる人多数発生 特攻隊 慈愛を忘れた我らが慈母 ※うさぎさんはいません
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818 記憶の中の貴方へ 第3話 ◆YVZUFUAt8U sage 2009/03/21(土) 03 21 01 ID goLVnqk2 正直な話、僕は真琴さんについてあまり多くを知っていない。 趣味はスポーツ全般で嫌いなことは勉強全般。二人姉妹で妹がいること。その程度だ。 彼女が自身のことを話したがらないのではなく、単純に仲良くなってここ2週間程しか経っていないからだった。 そう、彼女はちょうど進級に合わせて、この学園に転入してきた。 「いやぁ、ホントありがとう。えへへ。いつもは茜(あかね)に頼んでいるんだけど、いつもの癖が出たらしくて。本当に感謝してる!」 桜が散り始めた今日この頃。雫姉と別れてすぐ。向かい合うように机を合わせた教室で、あくびを噛み殺しながらクラス委員の仕事をしていると、はにかみながら真琴さんがそんなことを教えてくれた。 彼女の友人の茜さんは、自称名探偵だそうで、何か事件の匂いをかぎつけたと言っては、どこかへ出かけてしまう悪癖があった。 今回も毎度のごとく、学校そっちのけで出かけたのだろう。それにしても、高校二年生で名探偵ってどうなんだろう。 それはともかく。先ほど――校門での雫姉とのやりとりから気になっていたことについて尋ねた。 「真琴さんて、うちの姉さんと知り合いだったの?」 「やっぱりー。聞いてないんだ」 「何のこと?」 人脈は、一つの力だ。単純に相手の名を知っているだけでも随分違うらしい。これはこの学園の生徒にもいえる事なのであるが、やはりそれだけの関係ではなさそうだった。 「まあ、教えるわけ無いかあ。だって……ね?」 かわいらしい声が「そっかそっかあ」と頷き、こちらに意味深な視線が向けられる。が、残念ながら、僕には意味が分からない。 その反応に真琴さんは「へえホントなんだ」とつぶやくと机に頬杖をついて、億劫そうに続けた、 「一度だけ。ほんの少しだけだけど会ったことがあるんだよ。でも、お姫様は覚えていなかったみたいだね」 「お姫様?」 「ああ、雫さんの事だよ。雛守の姫っていえば社交界では有名なんだ」 手をひらひらさせる。 知らなかった。雫姉はそう言った煌びやかな世界の話を聞かせてくれない。「お前にはまだ早い。」だそうな。まあ、興味がないのだから良いのだけれど。 819 記憶の中の貴方へ 第3話 ◆YVZUFUAt8U sage 2009/03/21(土) 03 22 13 ID goLVnqk2 でも、 「それだけじゃないんでしょ?」 雫姉のあの反応は明らかに普通でない。何か他の理由があるに違いなかった。 「え、……あー。」 ニコニコしていた彼女は考えると、 「ねえ、広樹くんてさ、あたしのことどう思う?」 いきなりの話題転換にちょっと驚く。彼女はニコニコしたまま。だけど、冗談で誤魔化さないで欲しいのだと分かった。 「真琴さんと知り合って少ししか経ってないけれど、その……明るくて素敵な女の子だと思う。優しいし……。 あと、スポーツも出来て――苦手って言うけど僕より勉強も出来るよね、何でも出来て凄いと思う。あとは、ええと――」 「ありがと、そう思ってくれて。でも違うよ。あたしはそんなんじゃない。買いかぶりすぎ」 どうしたのだろう。口元には笑みを張り付かせたまま、真琴さんは目を伏せた。 「たとえばさ」と繋げる。 「あたしは………あたしは……広樹くんのいうようないい人じゃないかもしれないよ?広樹君の前で猫被っているだけかもしれないよ?性格も悪くて……いわゆる悪女ってやつ……かも。――それに家は穢れているし」 いつもの真琴さんらしくない尻すぼみなセリフ。最後の部分は聞き取れなかった。 「そんなこと無い。そんなこと無いよ。僕と真琴さんは知り合って僅かだけど、それでも真琴さんがいい人だって分かるよ。 優しくてかわいい、とても素敵な女の子だ。そんなこと言っちゃダメだよ」 雫姉だったらもっと上手にいえるんだろう。だけど、こんな伝わるかどうか分からない言い方しかできない。凄くもどかしい。 「だから、そんな悲しいこと言わないでよ。ね? 真琴さんのこと、ぼくは好きだよ?」 たとえばでもそんなこと言わないで欲しい。 「あう……好きって」 「?」 さっきよりも顔を伏せてしまう。前髪で隠れて顔は見えない。髪の隙間からのぞく耳は赤かった。 「…………好きって言われた」 「……あ」 実はとんでもないことを言ってしまった様な気がする。というか言った。 820 記憶の中の貴方へ 第3話 ◆YVZUFUAt8U sage 2009/03/21(土) 03 22 52 ID goLVnqk2 「いや、その友達として好きってわけで。あっ!真琴さんに魅力がないって訳じゃないんだよ、むしろ魅力的……いやいやいや、そうじゃなくて」 ああさっきから何いってるんだろ僕。 うろたえていると真琴さんがクスリと微笑んで、髪をかき上げた。伏せていた顔にはさっきとは違う自然な笑顔。 「ありがと。なんだろ、広樹君にそう言われると嬉しいな。……うん、すごく嬉しいや」 「え、うん。こっちも元気出してくれて良かった」 彼女の笑みにつられて笑う。顔が熱い。たぶん今、これ以上もなく赤面してるんだろう。 「ううん。本当にありがとう」 胸に手を当てる。かけがえのない贈りものをもらったように。 彼女は微笑んでいる しばらく胸に手を当てていた彼女は元の話を切り出した。 「ねえ、お姫……雫さんとの関係が気になるって言ったね」 ようやく答えてくれる気になったのだろうか。訝しげに頷く僕に、 「じゃあ、その……今度の日曜にデートしない?」 彼女はとびきりの爆弾を投げたのだった。 どうしよう、顔が熱くて仕方がない。この顔を広樹君に見られたのだと思うと、恥ずかしくてまた熱くなる。 放課後。広樹の帰った教室で真琴はとまどっていた。自分があんなに積極的だとは思わなかった。いつかは誘うつもりでいたがこんなに早くとは思ってなかった。何よりも、 放課後の今まで、朝のことを思い出しては赤面することの繰り返しだった。そんな『普通の女の子』の自分に驚きだった。 雫さんとの関係を教える代わりに、買い物の荷物持ちを手伝って欲しい。 今思うと無茶苦茶なことだったが、彼はそんなことでいいなら、と快く引き受けてくれた。 彼は妙なところで賢い。真琴と雫の確執が個人ではなく家柄を背景にした物だと言うことに気づいたのだろう。この程度のことで教えてくれるのならと思ったのかもしれない。 楠家に名を連ねる少女、真琴の冷静な部分がそう告げていた。 携帯を取り出して電話をかける。相手はすぐに出た。 「うん、あたし。………そう。誘ったらOKしてくれたよ。あんなに簡単に人を信じていいのかな……。まあこっちは好都合なんだけど…………うん……分かってる……」 広樹の前とは打って変わった思慮深い声。ここからは『楠家』真琴になる。 821 記憶の中の貴方へ 第3話 ◆YVZUFUAt8U sage 2009/03/21(土) 03 23 48 ID goLVnqk2 日曜に出かけることを伝える。むこうで安堵の空気が流れるのに気づいた。第1段階はクリアと言うことなのだろう。 「うん……頑張るよ。せいぜいあたしを気に入ってもらわないとね」 静かに、感情をのせず通話しながらも、頭に浮かぶのは赤面していた広樹の顔。関係が知りたくて引き受けとはいえ、そこは年頃の男の子。 やっぱり意識してしまうのだろう。あの顔、あれは可愛かったなあ。 出会って2週間程度だがそれでも、広樹がいい人だと言うことに真琴は気づいたし、疑いようがなかった。 常に周りを気にかけ、助けることに躊躇しない。そしてそのための自身の努力を惜しまない。それだけではない。普段からさりげない優しさが表れている。 他人に対して真っ直ぐで真摯な姿勢が好ましかった。この金持ち派閥の縮図そのものの学園で、そんなことが出来る広樹のような人は特別だった。 他人のために動いて努力できる人、少なくとも真琴はいままで出会ったことがなかった。 真琴は思う。 もっと、彼のいろんな顔が見たい。喜ぶ顔が見たい。楽しむ顔が見たい。哀しむ顔も見たいし、他のいろんな表情が見たい。それを一番近くで……広樹の隣で見ていたい。 「弱ったな」 あふれてくる感情の行き所が分からず、思わず呟く。楠の真琴では考えられないことだった。 なんだこういう事だったのかと真琴は今更ながら気づく。怪訝そうに問い返す電話に 「どうやらあたしの方が先にまいってしまったみたい」 平坦だった口調が熱を帯びる。朝のあのセリフが決定打だった。あんなことを素でいえるなんて、反則じゃないか。 「最初はどんな男の子かと恐々としていたけど」 視線は窓の向こう、彼のいる屋敷の方向に自然と向いていた。夕日に沈む町並みに彼の姿を思い浮かべる。こんなのは、こんな普通の女の子なのは、楠家の真琴ではあり得ないことだった。 でも止められない。自分の内で燦然とわき上がる熱にとまどいながらも真琴は決してイヤじゃない。そうイヤじゃなく、むしろ嬉しい。この気持ちが誇らしい。 自然と手は胸に、真琴は静かに確信する。広樹は……そう広樹こそが 「あたしの旦那様にふさわしい」
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沙織の部屋にて 沙織「もう、来るなら来るって連絡してよ。」 神田「いいじゃないか、それより肉じゃが作ったんだ。お腹空いたろう、食べようぜ。」 沙織「こういうの良くないよ。」 神田「え?」 沙織「私にだって私の時間があるんだもん、勝手に来るの辞めてほしい。」 神田「お前、俺がいたら何かまずいことでもあるのか?」 沙織「そうじゃないけど。」 神田「浮気か?」 沙織「そんなこと言ってないでしょう、あなたのそういう束縛するところ、本当嫌いだよ。」 ガチャンと勢い良く開くドア。 天童「大丈夫か!?」 沙織「天童さん。」 天童「悲鳴が聞こえたから駆け付けたんだ!」 神田「誰だお前は!」 天童「お前こそ誰だよ、お前だな、付きまとってるって奴は。」 神田「付きまとって…、沙織、お前、俺の事そんな風に…。」 沙織「天童さん違うの、この人は…。」 天童、玄関にあったモップを手に取る。 天童「剣道五段だぞこっちは。」 神田、台所から包丁を取り出す。 沙織「やめて!」 神田「この野郎!」 沙織「やめてーーー!!」 グサッ! 神田に刺さる包丁。 包丁の柄から手を放す沙織。 倒れる神田。 天童「おい、大丈夫か!?」 立ち尽くす沙織 天童「救急車だ!」 電話機を手に取る天童。 それを止める沙織。 唸る神田。 天童「お前、なんで止めるんだよ。」 沙織「いいの、これでいいの。」 天童「え?」 動かなくなる神田。 立ち尽くす二人。 …………… 笑う沙織 天童「し、死んでる。」 沙織「うん。」 天童「うんってお前、いくら付きまとわれたからって…。」 沙織「違うの。」 天童「え?」 沙織「この人は付きまといじゃない。」 天童「え?」 沙織「私の彼氏、付き合ってる人。」 天童「彼氏に付きまとわれてたのか?」 沙織「ううん、付きまとってた人は別。」 天童「ごめん、わけわかんねえよ…。」 沙織「この人とは別に付きまといがいて、怖いのは本当。」 天童「…。」 沙織「帰ってきたら彼がいて…私嫌いなんだ、連絡もないのに突然家に来られるの。」 沙織「彼束縛すごくって、別れたかったの。」 天童「それで、わざと殺したのか?」 沙織「知らない、彼が包丁取り出して、私怖くなって、気が付いたら刺してた。」 天童「何故止めた…。」 沙織「え?」 天童「俺が救急車呼ぼうとしたのに、なぜ止めた、まさか死ねばいいと…」 沙織「死ねばいいと思った。」 天童「…。」 沙織「言わないでね?誰にも…。」
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PREV:第3話 前編 NEXT:第4話 前編 ストーリー …… ハンドシャッフラー勝舞 ……あれ?【プレイヤー】が勝ったのに爆発しない……? ダピコ あー、引きが悪かったーマジかー…… ハンドシャッフラー勝舞 あっ、というかちょっとジャッジいいっすか?……ジャッジー!!! ハンドシャッフラー勝舞 ……何だ?負けている筈じゃ…… ダピコ ちょっとこのカードの裁定なんですけどぉ…… ハンドシャッフラー勝舞 特に問題ないですね ジャッジ ……あっ、そう、ですかーじゃあ……負け……っすね ハンドシャッフラー勝舞 対戦、ありがとうございましたー…… ハンドシャッフラー勝舞 ……あっ、そういうパターンの爆発もあるのかー ダピコ ケホ……ケホ…… ハンドシャッフラー勝舞 あー、あのカード違うデッキに入れたまんまだったわー代用カード入れてたわー ハンドシャッフラー勝舞 …… ダピコ ……とりあえずカードを渡してもらうぞ ダピコ ……いや、負けたら渡すって別に言ってないですし……(シャッシャッ……) ハンドシャッフラー勝舞 往生際が悪いぞ…………あっ ダピコ ……いいから寄こせよ ポプ子 ポプ子、大勝利! カードGETだぜ! ポプ子 ……ッスー…… ハンドシャッフラー勝舞 ……可哀想に ダピコ せっかく……貰ったカードなのに……ガクっ ハンドシャッフラー勝舞 やはり、どこかで配られているカードか…… ダピコ どんなカードなんだ?ポプ子ちょっと見せてくれ……何!? こ、これは!? ダピコ PREV:第3話 前編 NEXT:第4話 前編
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2008/11/23 『スーパーロボット大戦GOC』第3話更新 23日、はばたき氏のシナリオ『スーパーロボット大戦GOC』の第3話が公開される。 前回の第2話は11月3日に公開。 【はばたき氏】【シナリオ】【版権】【巨大】【ガンダム】 【文責 プラチナ木魚】
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第3話 「偉大なる航路から来た怪物」 登場ボスキャラクター アーロン はっちゃん
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【 YouTubeアニメ無料動画@Wiki >屍鬼>屍鬼 第3話「第惨話」】 屍鬼 第3話「第惨話」 YouTube , ニコニコ動画 ,veoh,MEGAで 無料 で見れる屍鬼 第3話「第惨話」の アニメ 動画 を紹介。 更新状況 更新履歴を必要最低限にわかりやすくまとめたものです。 【広告】あの部長のドメインが、ワタシのより可愛いなんて・・・・。 【最新】ぬらりひょんの孫:アニメ動画3本追加しました!(9/23) 【今更】刀語:アニメ最新話追加しました!(9/23) 【最新】けいおん!!:アニメ動画3本追加しました!(9/23) 【最新】屍鬼:アニメ動画2本追加しました!(9/23) 【最新】ストライクウィッチーズ2:アニメ動画3本追加しました!(9/23) 【ソノ他】動画ページ上部に「お知らせ」を追加しました!(9/23) 【過去】とらドラ!:アニメ動画10本追加しました!(9/5) 【最新】生徒会役員共:アニメ最新話追加しました!(9/5) 【最新】屍鬼:アニメ最新話追加しました!(9/5) 【最新】黒執事II:アニメ最新話追加しました!(9/5) 【最新】伝説の勇者の伝説:アニメ最新話追加しました!(9/5) 【最新】オオカミさんと七人の仲間たち:アニメ最新話追加しました!(9/5) 【最新】ストライクウィッチーズ2:アニメ最新話追加しました!(9/5) 【最新】けいおん!!:アニメ最新話追加しました!(9/3) 【最新】ぬらりひょんの孫:アニメ最新話追加しました!(9/3) 【最新】世紀末オカルト学院:アニメ最新話追加しました!(9/3) 【最新】学園黙示録:アニメ最新話追加しました!(9/2) 【最新】みつどもえ:アニメ最新話追加しました!(8/30) 【最新】生徒会役員共:アニメ最新話追加しました!(8/30) 【最新】屍鬼:アニメ最新話追加しました!(8/28) 【最新】黒執事II:アニメ最新話追加しました!(8/28) 【最新】伝説の勇者の伝説:アニメ最新話追加しました!(8/28) 【最新】オオカミさんと七人の仲間たち:アニメ最新話追加しました!(8/28) 【最新】ストライクウィッチーズ2:アニメ最新話追加しました!(8/26) 【最新】けいおん!!:アニメ最新話追加しました!(8/25) 【最新】殿といっしょ:アニメ動画3本追加しました!(8/25) 【最新】ぬらりひょんの孫:アニメ最新話追加しました!(8/25) 【最新】世紀末オカルト学院:アニメ最新話追加しました!(8/25) 【最新】学園黙示録:アニメ最新話追加しました!(8/25) 【最新】生徒会役員共:アニメ最新話追加しました!(8/25) 【最新】みつどもえ:アニメ最新話追加しました!(8/25) 【最新】屍鬼:アニメ最新話追加しました!(8/21) 【最新】黒執事II:アニメ最新話追加しました!(8/21) 【最新】伝説の勇者の伝説:アニメ最新話追加しました!(8/21) 【最新】オオカミさんと七人の仲間たち:アニメ最新話追加しました!(8/21) 【最新】ストライクウィッチーズ2:アニメ最新話追加しました!(8/21) 【最新】けいおん!!:アニメ最新話追加しました!(8/18) 【最新】ぬらりひょんの孫:アニメ最新話追加しました!(8/18) 【最新】世紀末オカルト学院:アニメ最新話追加しました!(8/18) 【最新】学園黙示録:アニメ最新話追加しました!(8/18) 【修正】デュラララ!!:第7話を視聴可能な動画に更新しました!(8/16) 【今更】刀語:アニメ最新話追加しました!(8/16) 【最新】生徒会役員共:アニメ最新話追加しました!(8/15) 【最新】みつどもえ:アニメ最新話追加しました!(8/14) 【過去】とらドラ!:アニメ動画5本追加しました!(8/14) 【最新】屍鬼:アニメ最新話追加しました!(8/14) 【最新】黒執事II:アニメ最新話追加しました!(8/14) 【最新】伝説の勇者の伝説:アニメ最新話追加しました!(8/14) 【最新】オオカミさんと七人の仲間たち:アニメ最新話追加しました!(8/14) 【最新】ストライクウィッチーズ2:アニメ最新話追加しました!(8/12) 【ソノ他】70万ヒット達成!ありがとうございますヽ(´∀`)ノ(8/11) 【最新】けいおん!!:アニメ最新話追加しました!(8/11) 【過去】とらドラ!:アニメ動画10本追加しました!(8/11) 【最新】ぬらりひょんの孫:アニメ最新話追加しました!(8/10) 【最新】世紀末オカルト学院:アニメ最新話追加しました!(8/10) 【最新】学園黙示録:アニメ最新話追加しました!(8/10) 【関連】殿といっしょ:MAD動画等7本追加しました!(8/10) 【最新】殿といっしょ:アニメ動画2本追加しました!(8/10) 【過去】こばと。:アニメ動画全話追加し終えました!(8/9) 【最新】生徒会役員共:アニメ最新話追加しました!(8/8) 【最新】みつどもえ:アニメ最新話追加しました!(8/8) 【最新】屍鬼:アニメ最新話追加しました!(8/7) 【最新】黒執事II:アニメ最新話追加しました!(8/7) 【最新】伝説の勇者の伝説:アニメ最新話追加しました!(8/7) 【最新】オオカミさんと七人の仲間たち:アニメ最新話追加しました!(8/7) 【最新】ストライクウィッチーズ2:アニメ最新話追加しました!(8/7) 【最新】けいおん!!:アニメ最新話追加しました!(8/6) 【最新】ぬらりひょんの孫:アニメ最新話追加しました!(8/3) 【最新】世紀末オカルト学院:アニメ最新話追加しました!(8/3) 【最新】学園黙示録:アニメ最新話追加しました!(8/3) お知らせ↓追加しました!(9/23) 最近、更新が停滞していて本当にごめんなさい。管理人の都合で、またしばらくサイトの更新ができなくなります。えっと、都合というのはちょっとした国家試験なんです。もっと早く勉強を始めていれば・・・と後悔が募るばかりですが、この度、生まれて初めて(!)本気を出そうと思います。もうすでに遅いような気もしますが、ネットするのを我慢して、自分なりに頑張ってみようと思ってます。たまに更新することもあるかもしれませんが、その時は勉強サボってるなあと思ってください(^^;) 更新は10月下旬頃に再開する予定です。怠け者でダメ人間な管理人ですが、これからも生温かい目で見守ってくれるとうれしいです(*´□`*)♪ ※実はこっそり隠れてツイッターもやっています。あまり見られたくないですが、もし見つけたらリプくれると喜びます! 当サイトについて 動画は最近放送されたアニメを中心に( ´∀`)マターリ紹介しています。管理人の気まぐれや人気記事ランキング、リクエストなどを参照して過去のアニメも更新してます。最近はニコ動などのMAD動画やYouTubeなどにあるOP&EDもバリバリ更新!事前に動画共有サイトから埋め込みタグを取得しているので、他サイトに移動する必要はありません。再生マークをポチっとするだけでOK.゚(*´∀`)b゚+.゚ veoh アニメ動画専用。再生マークを一回押したら見れます。削除されている場合も結構あります。30分以上だと5分間しか見れませんが、ほとんどのアニメは30分以内なので全部見れます。→ Ranking MEGA アニメ動画専用。再生マーク赤をポチっとしたら、広告といっしょにもう一度表示されるので、再生マーク緑をクリックすると再生できます。あまり削除されません。72分間連続視聴すると動画が見れなくなりますので、その場合は54分空けてから見て下さい。また通常は1日に10本までしか見れません。→ Ranking YouTube アニメ動画やMAD動画など。再生マークを一回押したら見れます。アニメ動画の場合は削除されることが多々あります。MAD動画の場合はなるべくコメント付きのニコニコ動画で見ることをお勧めします。YouTubeだけで紹介(そんな時期がありました…)しているアニメ動画のページは、かなり削除済み多数です(*_ _)人ゴメンナサイ。全部はとても対応できそうにないので、どうしても見たい動画は【リクエスト】してください。→ Ranking ニコニコ動画 MAD動画など。再生マークを一回押したら見れます。削除されている場合もたまにあります。通常は登録しないと見れませんが、埋め込みなのでログイン不要です。コメントに慣れてない人は右下の吹き出しマークをクリックして非表示にしてみてください。広告は×を押して消して下さい。→ Ranking コメントについて↓一部更新しました!(9/23) いつもたくさんのコメントありがとうございます!遅くなる事もありますが、すべて読ませてもらってます♪ 少し注意事項です。動画ページには各ページ中部に感想を書くためのコメント欄がありますが、最近そのコメント欄に「動画が見れない」などのコメントが目立ちます。そのような視聴不可報告は【リクエスト・視聴不可・不具合報告】にコメントしてください。それ以外のページの視聴不可報告は見落としてしまって対応できないことがあります。ご協力よろしくお願いします。 上の注意事項は一部の方です。みんなの感想や応援のコメントには本当に感謝しています!励まされます!アリガトウ(●´∀`●)ノ 見れない時は… veohとMEGAの両方とも削除済みで見れない時は【視聴不可報告】にコメントして頂けると助かります。 動画の視聴に便利なサイト ■GOM PLAYER:MP4やFLV動画の再生ソフトです。DVD,AVIなどの再生にも対応しています。 ■GOM ENCODER :対応ファイル形式が豊富なカンタン高速動画変換ソフトです。PSP/iPod/iPhone/WALKMANなどに対応。 ■バンディカム:CPUの占有率が低く、キャプチャー中でもゲームがカクカクしません。無料動画キャプチャーソフトの新定番です。 動画を見る前or後に押してくれるとうれしいですd(≧▽≦*d) 【お気に入りに追加する】【 bookmark_hatena】 MEGA このページのタグ YouTube アニメ 無料 動画屍鬼 コメント(感想) 動画屍鬼 第3話「第惨話」に関するコメントを気軽に書いてください♪ 再放送みたいな感じで見れてよかったです♪屍鬼だ~い好き♪>w</)) - 京香 2011-01-02 14 09 14 名前 クリック単価、広告の種類、管理画面の使いやすさなど総合的に判断しても1番オススメです(●`・v・) 今日の人気ページランキング にゃんこい! 第4話「美しい人」 おまもりひまり 第2話「海ねこスクランブル」 クレヨンしんちゃん シロをレンタルするゾ 昨日の人気ページランキング 荒川アンダーザブリッジ OP「ヴィーナスとジーザス」Full らき☆すた 第14話「ひとつ屋根の下」 【マイムマイム】マサオミマイム【紀田正臣】 君に届け 第13話「恋」 屍鬼 コメント/ひだまりスケッチ×365 第11話「9月28日 パンツの怪」 デュラララ!!ラジオ 略して デュララジ!! 第1回 デュラララ!! 公式パーフェクトガイド けいおん!の歌のシーンを集めてみた